超書店員によるシフトの作成方法【Part3】

超書店員によるシフトの作成方法【Part3】

さて、シフト作成の最終Partです。

Part1では、シフト作りの大切さ、長期的なシフト作りの考え方を紹介しました。

Part2では、この考えを月間に落とし込んだシフト作り、売上推移の活用方法を紹介しました。

 

今回は、この2つを踏まえ、実際に来月のシフトを作れる実践的で結果の出るレベルまで落とし込みます。

シフト作りが苦手な書店員の方は、Part1~Part3を参考に、自店舗のシフトを見つめ直してみてください。

 


売上とシフトを結びつけるなら、このことも考えなきゃ!


今まで、売上とシフトが比例すべきだと散々書いてきました。

しかしこの「売上」というものをもう少し深く考えてみると、今まで考えてきたのは「当日の売上」「今月の売上」だけだということです。

これでは不十分ですね。

もちろん半分は正解です。

売上のいい日は、お客様も多く、売場も荒れますし、レジも混み合いますし、その分接客機会も増えます。売り逃さないようにするには、スタッフの人数が必要です。

 

シフトを作成する上で、もうひとつ考えなければいけない「売上」とは何でしょう?

 


結論:売上を上げるための準備をする日にも人員が必要


売上を上げるためになら人件費は使っていいと思います。

これはどういうことかというと、売上を上げるための準備をする日です。

それは、売場が大きく変わる日です。

言い換えるなら、仕入れが多い日です。

 

「仕入れ」としてしまうと、え?いつ?となってしまいそうなので、ここでは「配本」としましょう。

その中でも新刊配本ですね。

つまり、新刊配本の多い日はシフトを厚くして人件費を使うべきなのです。

 


売上をつくるためには売場を作る必要がある


来月の仕入れとか配本って、何日が多くて何日が少ないとか分からないって、聞こえてきそうですが、分かるものもありますよね。

雑誌、コミックなどはそれがいつ入荷するのか読めます。

 

配本が多いというのは、売上を上げるために売場の平台が大きく変わる日です。

この日にスタッフが少なく、片手間で平台を作る作業をしたらどうだろう。言わずもがな、売上の期待値は減る一方です。

売上を上げるためにしっかりと平台を作り込むべきです。

 

ちなみに、店舗全体の数字を均すと「棚差し:平台」の売上の割合は「7:3」くらいになります。

ただ、雑誌、コミックのカテゴリに限定すれば、平台の売上割合はこの数字より大きくなり、より重要だということが書店員であれば誰でも気づくことでしょう。

 

大事なのでもう一度書きます。

売上を上げるためにしっかりと平台を作り込むべきです。だから配本の多い日もシフトを厚くするべきです。

 


どうシフトに反映させていくのか?


今まで同様、このことを落とし込んでみましょう。

|朝何人|昼何人|夕何人|夜何人|とシフトを管理しているなら、

配本が多いと分かっている日、そうでない日の「何人」に差を設けましょう。

特に配本に関しては、「朝何人」に差をつけてみるべきでしょう。

 

ここで何より大事なのが、発売日(入荷日)です。

雑誌の発売日って、決まってるようで決まっていません。

そう、 休配日の関係で配本が前後するので、1日か2日ズレるんです。

このズレを読めなければ、致命的です。いろいろ考えて作ったシフトの意味がありません。

 


正確に雑誌やコミックの配本日を知る方法


正確に配本日を方法は2つあります。

 

1つ目は、s-bookなどで調べる方法です。s-bookの雑誌の発売日を調べてみてください。

地域によってそこに掲載された日より1日早かったり、その日が入荷日だったりは、地域によって違います。

しかし、随時更新される情報のため、どのような曜日配置であっても正確な日付が書いてあります。

 

2つ目は、取次に依頼する方法です。もう調べるのが面倒な場合はこの方法でいいでしょう。

ただし、s-bookなどは使いこなせば、売上につながる機能が隠されているので、ぜひ一度、隅から隅まで調査してみて欲しいツールのひとつです。

取次は搬入から店着までトラックのスケジュールが立っており、いつ何が乗って、いつ何が届くのかトラックがスケジューリングされています。この表をもらえば、間違いない入荷日になります。

 


売上と経費の関係


Part1で、最初にお伝えしましたが、人件費とはどういう経費でしたか?

書店の業績は売上のみで語られることが多く、現場で働いていると特に利益に意識が向かないかもしれません。

しかし、超書店員になるには利益に目を向けましょう。

すでに超書店員の方は分かってると思いますが、

人件費で1万円使ったら、1万円売れば人件費分を取り戻せるわけではないです。

2万円売っても損です。

3万円売っても損です。

じゃあいくら売ればいいのでしょう?

 

それくらい人件費は気を遣うべき経費です。

少なければ少ないほどいいと思われがちですが、それでは仕事が滞りますし、売り逃しもしてしまいます。

Part1~Part3までのシフト作りの考え方を元に、自店舗のシフトを見直しをしてみてください。

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