当サイト超書店員について

このサイトは、本が好きな人が集まるサイトではありません。

本を売ることが好きな人が集まるサイトです。


あなたの書店では本が売れていますか?


全国各地で書店が潰れています。

出版不況、活字離れ、電子書籍、ネット書店、、、。

あーだこーだ書店で本が売れない理由を言われていますが、どれもあなたの店で本が売れない理由にはなりません。

そう私は思っています。


書店員の仕事って何?


ダンボールやビニール袋に入れられて毎日運ばれくる本、その本をお店に並べること。
お客様が見つけやすいように、各ジャンル、各カテゴリごとにあるべき本をあるべき場所に陳列する。
それが書店員の仕事だと思っているのであれば、それは間違いです。

そう思っている書店員が働いているお店は、間違いなく本が売れていません。

 

あるべき場所にあるべき本を並べること、それはお客様にとって本を探しやすくする仕事だと思います。そこに関しては否定はしません。しかし、それだけやっていては本は売れないのです。

その仕事は何かというと、ただの情報の整理です。
バラバラに入荷してくる本を売場のジャンルごとに整理し直す仕事です。

今までの書店はそれだけでも良かったのかもしれません。しかし現在、書店員はそれを仕事にしてはいけません。
なぜなら、そんな情報の整理みたいな仕事は、人はコンピュータやネットにはかなわないからです。

検索窓よりも本を整理できる書店員は存在しません。

そんな仕事は、ネット書店に任せておけばいいのです。同じ土俵で戦うだけ無駄です。


結局、ネット書店には勝てないの?


じゃあ、いったい書店員の仕事って?と思われるかもしれません。
その話を少しだけ掘り下げてみたいと思います。

書店では、本をもっともっと売ることができると、私は思っています。

それはあなた達、書店員がいるからです。

ネット書店ではできないけれど、書店員のいる本屋だからできることがあります。書店員のいる本屋にしかできないことがあります。

書店員は本の中身を知っているのです。

「あなたは、何で書店員になろうと思ったのですか?」

私は何人もの書店員にこの質問を投げかけました。多くの方はこう返事が返ってきます。
「本が好きだから」「本を読むのが好きだから」「本屋の空間が好きだから」
ほとんどの方はこう答えます。超書店員になるには十分な答えです。


本の中身を知っているということは、物凄く沢山の可能性が膨らむこと


例えば、併売です。

売場でこういうことを表現していますか?

何でもいいです。例えば、漫画のワンピースの新刊を買いに来た人がいるとしましょう。その人に向けて併売をして欲しいのです。
恐らくほとんどの書店では、既刊本を併売しているでしょう。

そうではなく、
ワンピースを読むならこっちの本も一緒に読むとよりワンピースがより面白く感じられるようになるよ。
ワンピースが好きな人ならこっちの漫画もハマるから一緒に買ってみて。
といった本を横に置いていますか?

こういったことを、売場で表現できていますか?
POPで伝えていますか?

この本を読むのなら、こっちの本も一緒に読むと、より深みが出て楽しめるよ。

この本を読む人なら、こっちもオススメしたい。

これって、本の中身まで理解していないコンピュータにはできないことなんです。書店員にしかできないことなんです。
コンピュータは、この本を買った人は、この本も買ってるよ。と、既刊本を機械的に薦めてくることしかできません。

同じことをしているようでは、それは書店員の仕事とは言えません。

本の中身を知った書店員にしかできない併売をしてください。

こういった、書店員にしかできない仕事はたくさんあります。そしてそれは、売上も作り出すし、お店のファンも作り出すし、何より買ったお客様が潜在的に求めていることです。


このサイトを作った理由は、本を売ることができる書店員を増やしたかった


街の本屋がどんどん閉店していっています。

それは本を売ることができる書店員が少ないことが原因だと思いました。

全国各地から書店の店長が集まって研修をする場に、以前参加したことがあります。20社弱くらい来ていたでしょうか。それまでぼんやりと感じていたことは、その時に明確になりました。

書店の店長は決して他の小売店の店長と比較しても、レベルが高いものではありません。年間の予算を自ら立てている店長は私を含め、2人しかいませんでした。そもそも予算すらない書店が半数近くありました。こんなにも数字に関して無頓着な小売店は、書店以外ではありえないんじゃないかと思います。

利益や売上が「幹」であり、運営や売場は「枝葉」だと認識しましょう。
本をどうやって売るのかを学び、もっと自分の店のことを真剣に考えれば、必ず売上は上がります。

このサイトを作った理由は、本を売ることができる、お店の利益を生むことができる、超書店員を育てたかったからです。


今までの書店員は、本屋は特別だと勘違いしてきた


まず理解して欲しいのは、書店というのは、ただの小売店だということです。

アパレルショップ、家電量販店、ホームセンター、家具屋、スーパー、コンビニ、宝石店と同じ小売店です。
しかし書店員の認識で「本」、または「出版業界」は、普通の小売店とは違った存在であるとの認識を持っている人が多くいます。
再販制度の捉え方を間違っていたり、売場に本を置けば売れていた時代があったのだから仕方ないのかもしれません。

さらに書店の近くに別の書店が出店する、といった、業界として他社と競合をし、しのぎを削ってこなかったことで、「売る」ということに対する書店員の意識が低くなってしまったのかもしれません。


本屋には本屋の役割があるってのは、ただの言い訳に過ぎない


本屋は売上だけでなく、地域における文化や教養の底上げの役割を担っていて、地域の人達に貢献している、という思いを持っている書店員もいます。

しかし、それは本当でしょうか。

売上が上がる = お客様から評価されている

お客様から評価されているお店というのは、ちゃんと売れているのです。むしろ売上が上がっているということは、地域のお客様から評価されているということなのです。
もしあなたのお店の売上が落ちているのだとしたら、単純にお客様から評価されていないだけなのです。
評価されていないお店が、地域の何を語れるのでしょうか。


長くなりましたが 最後に


書店の売上を伸ばす上で大事なのは「本屋の役割」と「書店員の役割」を考えることです。

もう少し言い方を変えると、世の中から本屋に何を求めているのか?書店員は何を求められているのか?
このことについて、考えることです。
そしてそれをお店で表現することです。

真剣に売上を上げたい、利益を上げたいと考えているなら、ぜひこのサイトに書かれていることを自分のお店で実践してみてください。

書店の業績には、一発逆転はありません。

チャリンチャリンとレジで積み上がった売上が結果となります。

これはやるけど、これは面倒だからと選り好みしている様では、結果はでないでしょう。
腹をくくってやるっきゃないんです。

このサイトを通して、ひとりでも多くの超書店員が生まれてくれたら嬉しいです。