書店の業績は垂直と水平の両方の視点から分析する必要がある

書店の業績は垂直と水平の両方の視点から分析する必要がある

既に書店員の皆さんは売上のカラクリを理解していると思うのですが、書店の業績を分析する際に、どのように数字を見ていますか。どんな比較の仕方をしていますか。
細かい数字の中身を見ていく前に、まずは大まかに店舗が置かれた状況や流れ、全体像を把握しましょう。

今回紹介する方法は、業績を「垂直方向」と「水平方向」で見ることにより、きちんとあなたのお店の状態を把握することができる方法です。
数字を見る際は、まず垂直方向と水平方向で見るクセを付けることで、数字に対する苦手意識もなくなってきますし、正確な店舗状況の把握ができることになりますので、書店員の方達は必ず実践してみてください。


業績分析を行う意味


まず、業績分析をする意味を理解しなくてはいけません。
当たり前なのですが、業績分析を行わなくて良いのであれば、数字なんて見る必要はありません。
むしろ数字を見ている時間そのものは、紙やパソコンの画面を見ることになり、売場も触れないし、本も出せないし、注文もできないし、接客も行えないため、目の前のお客様のためにはなっていません。

では、なぜ業績を分析が必要なのでしょうか。

答えは簡単です。
書店に限らず全ての小売店は、利益を上げるために店を構えています。そして、利益を上げるために、売上が必要になってきます。

利益を上げないことはお店を構えている自分達の存在否定です。
利益がどうなっているのか、利益を生み出す売上がどうなっているのかを把握することが業績を分析する意味です。


1つ目の業績の見方「垂直分析」


垂直分析は、どの書店の店長もやっていると思います。
数字を見る際に昨年の実績と比べる方法です。昨対比で100%を超えているのか、100%を割っているのかを見ます。
毎月100%を割っている状態だと、右肩下がりの業績になっているのが一目瞭然です

また数字を垂直で比べる際は、昨年何があったのかを把握しておかなければなりません。何が売れたのか、何か大掛かりな変更はしたか、どんな取り組みをして結果はどうだったのかを把握しておく必要があります。そうでなければ、大きくヒットしたタイトルで売上が底上げされていた、なんてことがあるかもしれないからです。

単品タイトルや取り組みに左右されない、実体を比べて分析してみる必要があります。


2つ目の業績の見方「水平分析」


小売店において、垂直分析だけではお店の数字を把握できているとはいえません。

もう少し広い視点である、世の中や他店舗と比べてみる必要があるからです。世の中の需要で本が売れていたり・売れていなかったり、爆発的に売れるタイトルの誕生で売上がいいだけであることも考えられます。他の店の売上が悪いのに自分の店の売上が良かったり、その逆で自分の店の売上が悪いにも関わらず他の店の売上が良いこともあります。
このように、書店業界全体や同立地の店舗との比較をしてみなければいけません。(テナントで入っているお店などは、他のテナントと比べ客数や売上がどう違うのかを比較してみる必要があるでしょう。)

 

書店の業績は、垂直視点で過去の自店舗と比較し、水平視点で業界や世の中と比べましょう。
その結果、数字に乖離が見られた場合は、原因を追究し対策をとらなければいけません。

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