書店の売場を考える
書店の売場は、書店員がお客様のことを考えて商品を併売すべきなのです。
書店員は、本の中身を理解しているが故に、併売する商品を考えなければいけません。
なぜならネット書店では、このようなことはできないからです。
実施しているところでも、この商品を購入した人はこの商品を購入しているとオススメしてきたり、同じ作家の過去の作品だったり、その程度しか関連商品を併売することができません。
だからこそ、本の中身を知っている書店員が、ある本を買いに来た人に対し、だったらコレも一緒に買うとよりその本が楽しめるよ、というような商品を併売し、新たな読書体験を提供していかなければいけません。
むしろ、それが書店員の仕事のひとつだと考えています。
パズル誌の売場
書店員の皆さんに聞きたいのですが、パズル誌のことを考えたことがありますか?
店舗にもよると思いますが、パズル誌に対し、あまりいい印象を持っていない書店が多いように感じます。
雑誌やムックの売場面積が限られている中、パズル誌は月に2度ほど大量に発売されます。
そのためパズル誌の印象は「一気に入れ替えを行わなければいけなくて、ただただ大変」「こんなに大量に発売されても売れないよ」などと感じている書店員は多いのではないでしょうか。
パズル誌の売場面積はどの程度が適正か?
では、パズル誌の売場は本当にそんなにいらないのか、考えたことはありますか?
この答えを持たずして、発刊数(売場に並べる大変さ)だけで判断してはいけません。
考え方は色々あるが、考えたことのない人にはまず手始めにこのように考え自店舗に当てはめて計算してみてはどうでしょうか。
- お店全体で、雑誌・ムックのトータル売上を出しておきます。
- パズル誌の売上を出します。
- それを割って、雑誌・ムックにおけるパズル誌の割合を出します。
- 雑誌・ムックカテゴリの売場の面積と比較して、その割合があまりにもかけ離れていたら売場面積を考え直す必要があるかもしれません。
これが適正とは言えませんが、まず手始めに計算してみてください。このようなことを考えて計算することは、自店舗の把握に繋がると思います。
また、回転率で全国平均と比較してみるのもいいでしょう。このようなデータは取次が持っていますから、取次の担当者にお願いして出してもらうようにしましょう。
パズル誌は目的買いが衝動買いか
このように売場を数字で把握した後は、一旦、売場のことは置いておいて、お客様に目を向けてみましょう。
雑誌やムックの担当者、パズル誌の担当者などは知ってないとまずいですが、パズル誌って目的買いの商品か衝動買いの商品か知っていますか?
少し言い換えます。
目的のタイトルがあって発売日目がけて買いに来ているのでしょうか、売場で見比べた後に一番良さそうな商品を選んで買うのでしょうか?
これは、パズル誌のことを真剣に考えたことのない人は間違うと思います。
これは、売場に立ってお客様を観察してみてください。答えがわかります。
実は、お客様は買おうと思っているタイトルがあり他の商品には目もくれず手にとってレジに持っていく人が多いことに気づきます。
そうなのです、パズル誌は目的買いが多いのです。
パズル誌の売筋を把握する
では、また質問です。
パズル誌の売筋って把握してますか?
これは結構把握していない人が多いんです。なぜ売筋を把握する必要があるかというと、パズル誌の発売日に合わせて大掛かりに入れ替えを行いますよね。その際に、どれを返品するか迷いませんか?
ひとつの攻略方法として、「懸賞の申し込み期限が近いものから順番に返品していけばいいよ」なんて、先輩に言われた人もいるかもしれません。果たしてそれが正解でしょうか。
そう、この時に役に立つのが売筋把握です。
懸賞の申し込み期限はその雑誌やムックの発売日とそれほど相関関係はありません。むしろ出版社は、返品されたくないので申し込み期限はかなり長くとっています。そんな申し込み期限を当てにするよりも、売筋商品を残しておいたほうが売れる可能性は高まります。
とはいえ、タイトルなんて覚えられませんよね。
その通り。
それに、そんなの覚える必要ありません。
これは、調べてみて分かったのですが、パズル誌をランキングで並べてみてください。上位のタイトルは、ある出版社で偏っていませんか?
私が調べた当時では、自店舗で、マガジンマガジンという出版社のパズル誌はかなり上位を独占していました。
だから雑誌抜きの際には、困ったらマガジンマガジン残しで、みたいな指示だけしていました。
こういうのはお客様の傾向さえつかめれば、それくらいの指示で結果が出たりするので、必ず自店舗でもやってみてください。
これだけで簡単に売上が上がるパズル誌の売場
段々と自店のパズル誌売場を攻略してきましたね。
最後に、パズル誌の売場を使って、めちゃめちゃ簡単に売上を上げる方法を紹介します。
今まで紹介したことを何も計算しなくても、何も把握しなくても、これだけは絶対にやってください。100%結果が出ると言ってもいい、特別な方法があります。
それは、パズル誌の売場に、ポケットを引っ掛けて、そこにフリクションボールペンを販売するのです。もちろん、そのポケットには、消えるボールペンというような使い方をいうメージさせるようなポップを貼っておけば完璧です。
これだけで、レジでは「パズル誌」+「フリクション」というセットで買う人の割合が激増します。
面白いほど、これをセットでレジに持ってくる人が増えます。
単色ボールペンが売れて+200円、3色ボールペンが売れて+600円です。
この数字、大きいと思いませんか?
これを知った書店員の方は、絶対に試してみてください。