儲かる書店の社員〔長期的視点〕とアルバイト〔短期的視点〕働き方の違い

儲かる書店の社員〔長期的視点〕とアルバイト〔短期的視点〕働き方の違い

書店では社員・アルバイト含め何人もの人が働いています。

そして、儲かる書店にはそれぞれの役割をスタッフが全うしています。役割とは、児童書や実用書といったカテゴリや売場の担当ではありません。それぞれの仕事や業務を切り分けていった際の視点の長さの話です。全体として短期的視点の仕事だけでなく、長期的視点で仕事をしている人がいるかどうかが儲かる書店とに明暗を分けているといえます。


儲かる書店の社員〔長期的視点〕とアルバイト〔短期的視点〕働き方の違い


仕事には、2種類の仕事があります。

長期的視点が必要な仕事と短期的視点が必要な仕事の2種類です。
あなたの仕事に対してこの違いを把握しているのとしていないのとでは、書店員として一段上にステップアップできるか否かに大きく関わってきます。

私の考えでは、
アルバイト・パートは、短期的視点の仕事のプロを目指すべきであり、店長をはじめとした社員は、長期的視点で仕事を考えなければなりません。

書店はそのどちらかだけでは売れるお店にはなれず、両者が揃ってこそ「売れる書店」ができあがるのです。

そこで今回は、この2つの仕事の違いについて簡単に紹介していこうと思います。


短期的視点の仕事とは


短期的視点の仕事を別の言い方で表すと「目の前の仕事」と言えます。

「書店員に、あなたの仕事って何?」「書店員は何やってるの?」と聞くと、だいたいはこちらの短期的視点の仕事内容を答えます。

例えば、以下のような仕事は短期的視点の仕事です。

  • レジ
  • 品出し
  • 返本
  • コミックのシュリンク
  • ラッピング
  • 雑誌抜き

などなど続きます。これらはアルバイトやパートが目指すべき仕事だと考えています。お客様と直接関わることも多いです。そのため、目の前のお客様を満足させるプロフェッショナルになるのが短期的な視点の仕事です。

レジが遅かったら、カバー掛けが遅かったら、問い合わせの本を探すのが遅かったら、いつまでも雑誌抜きをしていて立ち読みの邪魔になっていたら、新刊がなかなか店頭に並ばなければ、お客様の満足度は下がります。


長期的な視点の仕事とは


長期的視点の仕事を別の言い方で表すと「構想を練る」と言えます。

「書店員に、あなたの仕事って何?」「書店員は何やってるの?」と聞くと、だいたいはこちらの長期的な仕事内容の回答は返ってきません。

例えば、以下のような仕事は長期的視点の仕事です。

  • 人件費及びシフト作り
  • アルバイトの採用計画
  • 今後の店舗レイアウトや売場構成の作成
  • 販売計画、仕入れ計画などの予算作成

などと続きます。これらは社員が考えるべき仕事だと思います。作業やお客様と直接関わるというよりも、新しい取り組みやマネジメントが主な業務になります。

遅い早い正確といったものが評価対象ではなく、お客様を魅了できる新しい提案、より働きやすい環境作りなど、今までに無いものを創造し計画し工夫することが大事になってきます。

しかし、分かりやすいのかイメージしやすいのか、業務のプロを目指す書店員ばかりを見かけます。自分の成長の尺度が、スピードや正確性ばかりで、全体の最適化最大化に目が向かないようでは長期的視点を持つことができません。
構想を考える、計画を作る、企画を企てるといった、未来志向で仕事をしていく必要があります。

 

長期的視点を持つべき人は、できるだけ作業をすることをやめ、指示を出し、自分のお店が売れるようになるために、何を発信していくべきかを掲げるように心がけましょう。徐々に、視点の変化が起こってきます。自店舗から他店舗へ、自社から他社へ、書店業から小売業へと外へも目が向くようになり、全く別業界の成功事例も、どんな工夫・どんな形にしたら、自店舗に取り入れられるかをすぐに考えるようになるでしょう。

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