集客面からロードサイドの店舗を紐解く

集客面からロードサイドの店舗を紐解く

 


さて、問題です。


今回は書店のみの話ではなく、小売店の一般論としての話です。

テーマは「集客としての立地」を紐解いていきます。

さて問題です。

Q.どのお店が一番集客面で立地がいいでしょう?

A店

B店

C店

 


答えの前に知っておくべきこと


店舗を構える書店には、様々な立地の店舗業態があります。

  1. 駅ビル・駅前
  2. ショッピングモール
  3. ロードサイド(幹線道路)
  4. ロードサイド(生活道路)

これらの店舗業態は、分けて考えなければいけません。

あの店で上手くいっていることを真似しようと同じことをしても、結果は同じようになりません。

なぜなら、それぞれ客層が変わってくるからです。

それは、集まってくる人の目的が違ってくるのです。

 

売れ筋商品などは店舗形態や地域によって、ある程度傾向があるため、自分のお店の立地から商品構成を考えることが必要です。

 


幹線道路と生活道路


今回は、ロードサイドのお店についての問題になりますね。

そこで2種類の道路についても説明しようと思います。

 

幹線道路とは、大きな都市と大きな都市を結んでいる大きな道路です。

生活道路とは、その周辺地域に住んでいる人が利用する道路です。

ロードサイドのお店と一括りにいっても、この2つでは来店層が大きく違います。

 

国道何号線みたいな幹線道路沿いに立地する店舗では、その前を通る車が毎日違います。毎日違う新しい来店者に向けて、商品の提案をしなければいけません。

ふらっと、たまたま寄った人に対して本の提案をする必要があり、棚の品揃えを考えなければいけません。

 

これとは違い、

生活道路沿いに立地する店舗では、この逆で街の本屋さん的位置づけとなります。毎日決まった人が店の前を通ります。この毎日来る同じ人に向けて、商品の提案や、棚の品揃えを考えなければいけません。

話題の本を多く積むだけでなく、自分の所に来るお客様に向けた提案やフェアであったり、仕掛けなどをしていく必要があります。

 

同じロードサイドの店舗形態であっても、お店の捉え方や、売場の考え方は全く違います。

自分のお店はどのような立地条件でお店を構えているのか、一度考えてみてください。

そしてその様な立地のお店には、どういう人が店の前を通りますか?

その人に向けた、売場展開・棚構成ができていますか?

店内ばかりではなく、店外に目を向けてみると売上のヒントが見つかるかもしれません。

 


さて答えはどうでしょう


店舗形態によって、店内の商品をどう考えていくかについて説明してきました。

では、問題に戻り、ロードサイドのお店の理想の店舗配置はどこになるのでしょう。

 

まずA店を見てみましょう。

日本の道路は左車線を走りますね。

左車線を走りながら、自店舗の隣に別の建物が建っているため、近くまで車が来ないと店舗は認識されません。

もしこれが、幹線道路沿いで、毎日違う車が走っている環境であれば、本屋を認識してから入ろうと思うまでの時間が短く、来店チャンスを逃してしまうでしょう。

 

次にB店を見てみましょう。

こちらは入口が広いため、車の出入りがしやすく入りやすいように見えますが、A店ほどではないにしろ、近くまで寄らないと本屋があると分かってもらえません。

ただ、生活道路沿いでこの様な立地であれば問題ないでしょう。いつも決まった人の往来があるだけの生活道路だからこそ、活きる店舗立地ですね。

 

ではC店を見てみましょう。

これは駐車場の空間があるおかげで、店舗の視認性が高く、遠くからでも本屋があることが分かる位置関係になります。

そのため、幹線道路でも生活道路でも、ロードサイドのお店としては理想の形と言えます。

車を走らせている途中、本屋を見つけてふらっと入ってくる方もいるかもしれません。商品構成、仕掛け品、フェア台などもそのことも加味しつつ作りこんでいく必要があります。

 


まとめ


自分の店舗の立地を考えることは、自分のお店に来るお客様の目的や入店時の心持ちを考えることでもあります。

お客様に目を向けた売場、接客、商品というのは、なんとなく目立つ常連の方に考えが引っ張られがちになってしまいます。

しかし客観的に自分のお店、自分のお店に来てくれるお客様を考えることで、より売上を伸ばすことができます。

自分のお店の立地から、今一度、商品や売場について考えてみてください。

 

そこから何か新しい発見や仮説が生まれたら、試してみると意外と結果が出るものです。

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